翌日の3時間目、光留たちのクラスは、理科室で実験を行った。

「はーい、では皆さん、ビーカーに100mlの水を入れて下さ〜い」

小村の指示で、クラスメートは黙々と作業を進めている。光留は、手を動かしつつも、ずっと昨日の事が頭から離れなかった。

「本間君、どうしたの?」

実験班のメンバーの女子に尋ねられて、光留は我に返った。

「ううん。何でもない」
「そっか、じゃあミョウバン入れるね」
「うん」

実験は順調に進んだ。いつものように、授業は終わりを迎えた。
何も変わったところはなかった。グループのメンバーがコソコソしていた事以外は。