声の主は、小村だった。

「あなたたち、一体なんのつもりなの?」
「えっと……、それは……」

さっきまでの迫力が嘘のように、彼は口をモゴモゴとし、目が泳いでいる。

「内村くん(級長)から全部聞いたわ。まさか、そんな事をしていたなんてね」

小村が言うと、6人は床に膝をつけ、土下座をしようとした。

「やめなさい、そんな事。こちらで処理しておくから、もうこんな真似はしない事!いいね?」

床に近づけかけた顔を上げ、小村を見る。そして、

「すみませんでした!」

そろって言った。
小村は『分かればいいのよ』と、理科室を出て行った。光留には、小村が何故あそこまで6人に対して優しくしたのか、分からなかった。
けれど、これ以降事件が起こらなかったのは、紛れも無い事実であった。