目がさめると、僕は自分の部屋のベッドにいた。
あれは本当のことだったのだろうか? それとも夢だったのか? 分からない。
けれども、美耶子と最後に話せたというのは、確実に僕を変えていた。
もう引きずってなんていてはいけない。
ちゃんと、彼女、美耶子の分まで生きないと。
(ここに、誓うよ)
心の中でそう言って、僕は部屋を出た。

翌年、毎年聞聴こえていたあの歌はもう聴こえなくなっていた。