「だ、だったら……!」
「うわ、なに?」
急に声を張り上げて言うから少しだけ驚いた。
「わ、私のこと……」
言い辛そうにしてるけど、顔は真剣だった。
俺の顔色を伺うみたいにチラチラと顔を見てるから、何も言わずに言葉を待つ。
「私……私のこと……“あんた”って……」
そこまで言って、口を閉じる。
「なに? 最後まで言ってよ。気になるじゃん」
「や、やっぱりいい」
「言ってよ」
「やだっ」
ぷいっと俺に背を向けて布団を深く被る。
頑な態度が頭に来て、横になって顔を背けるあいつの耳の近くに両手を置いた。
「言えよ」
