私を暴いてみせて








瑞希はベットの近くに膝をついて、すりおろしたリンゴをスプーンですくって、




「さつき、はい。あーん」




食べさせようとする。




「瑞希、私自分で食べられるよ」


「もー、静かに。今私がナースになってるんだから」


「馬鹿じゃないの」




そう言ったら拳で殴られた。




「ほら! さつき!」


「うぅ……」




チラリと俺を見て、恥ずかしげに口を開けて食べさせてもらう。
もぐもぐ口を動かし飲み込んでから、




「……美味しい」


「良かった。はい、もう一口」




最後まで瑞希に食べさせてもらい、あいつは完食した。
瑞希は皿と自分の鞄を持って立ち上がる。




「私、片付けたら帰るね」


「え、」


「聖夜は? 一緒に帰る?」


「いや。まだ居る」




さっき約束したし。


あいつはまさか瑞希が先に帰るなんて言うと思ってなかったらしく、分かりやすいくらい焦っていた。