「ふーん……」
そっと手を伸ばし、手の甲であいつの頬に触れる。
「……冷たい」
「あんたは熱いね」
「聖夜くんの手……冷たくて、気持ちいい」
目を瞑って口元を緩ませるあいつに、少しだけドキッとした。
な、んか……身体が熱くなる。
紛らわすように口を開く。
「親、何時に帰ってくんの?」
「……19時って、言ってた気がする」
「……それまで、傍に居る」
そんな時間までひとりになんて出来ない。
「い、いいよ! そんな、悪いし!」
「いいから。あんた独りになんてしたら———」
———どうせまた、泣くだろ。
