「……リンゴ買っとく?」
「……ゼリーも」
「ゼリー?」
体調悪いとき、よくアイスやゼリーを食べてた気がする。
みかんゼリーを1つとリンゴをレジに持っていく。
「ありがとうございましたー」
よし。
これでいい……よね?
買い物袋を持って、記憶を辿りながらあいつの家に向かう。
茶色の屋根に白い壁の家を見つけて、インターホンを押した。
少ししてからドタドタと騒がしい音が聞こえて、玄関んドアが開いた。
「あ……瑞希、と聖夜くんだぁ」
頬を真っ赤に染めたパジャマ姿のあいつが、ドアの隙間から顔を出す。
「さつきっ、起きてて平気なの!? 顔赤いよ!」
「誰も居なくて……今、ひとりなんだ」
ドアにもたれるように、力ない笑顔で答える。
……たく。
何無理してるんだ。
動けないなら無視すればいいのに。
