「あ、セイと瑞希ちゃん」
「これから部活?」
「そうそうー。もうすぐ大会あるから。じゃあね〜」
ヘラヘラとした笑顔を絶やす事無く海斗は手を振って、部活仲間と一緒に体育館へ向かった。
海斗が居なくなるのを確認して、瑞希に声をかける。
「……瑞希、離れて」
「……ごめんねぇ! あ、さつきに何か買った方がいいかな? フルーツとか?」
「なんでもいいんじゃない?」
あいつのお見舞い、か。
なんか緊張する……。
前に一度あいつの家に行った時は招待されたから良かったけど、いきなり行ったら迷惑にならないかな。
あいつの家に向かう途中、スーパーに寄った。
瑞希がフルーツと言っていたから2人でフルーツコーナーで立ち止まる。
……何が、好きなんだろう。
そこまで仲良くないから好きなモノなんて知らないし。
