「どうだった?」
「断った」
「断った!? はー、もったいねぇー!」
「コノヤロー! 俺達に1人くらい分けろ!」
「つーかさっきの音、お前だろ」
矢継ぎ早に質問されるけど答えず、黙々と弁当を食べる。
少し離れた席から、瑞希が俺を見ている事が分かった。
放課後になり、あいつの見舞いに行く為約束をしてたからか、終礼が終わってすぐに瑞希が俺の席に来た。
「せーいーやっ!」
「あぁ」
立ち上がると俺の腕を絡ませて、ベッタリ引っ付く。
そのまま仕方なく昇降口に向かうと、部活のTシャツを着た海斗に出くわした。
「海斗」
海斗の姿を見るなり、瑞希はギュッと腕に強くしがみついて俯く。