「やっほ〜。あ、瑞希ちゃんだ」
「っ、」
瑞希はあからさまに嫌そうな顔をして、俺から離れて席に戻った。
そんな瑞希の様子に海斗は楽しそうにクスクス笑う。
「あれ? 瑞希ちゃんと一緒に居る子は?」
「あー……休み」
「また? 今月だけで3回休んでるよね」
「あいつ身体弱いんだよ。で、なに?」
「んー、用は無いんだけど……」
チラッと瑞希の方を見る。
あぁ、なるほどね。
「瑞希を見に来たの?」
そう聞くと、海斗は頷きもせずただ笑うだけだった。
図星か。
「普通に、喋ればいいじゃん」
「それが出来たらとっくにしてるよ。セイは馬鹿だなぁ」
「馬鹿はお前だろ。海斗が瑞希にあんな事するから、」
「今日も雨でやだねー。俺のクラス体育あるんだよ。ちょっとの雨だったら外でするって言われてさ、本当最悪〜」
……露骨に話変えやがって。
悪いのは海斗なのに。