「さつき、病院に行くわよ」




ハッと、目が覚めた。
お母さんの顔が近くにあって、ゆうちゃんの姿を捜した。


……夢、だったの……?




「ずっと“ゆうちゃん、ゆうちゃん”って、言ってたわ」


「……夢、見てた」


「起きられる?」


「……うん」



お母さんに支えられながら身体を起こす。


……そうだよね。
まだ、ゆうちゃんに逢えるわけないよね。


馬鹿だなぁ、私。


久しぶりに病気になったせいで、心が弱ってたのかな。


パーカーを羽織り、お母さんの車に乗って病院へ向かった。
到着するとお母さんが受付してくれてる間、私は待合室の椅子に座った。




「だるかったら寝ててもいいのよ」


「うん」