「……ん、」 脇の下に挟む。 少しするとピピッという音が鳴った。 「38度7分……高いわね」 昨日ちょっと喉が痛いなって思ったけど、熱なんてついてないな。 ―――6月になって、雨が降るという最悪な季節。 じめじめするし、自転車で学校に行けないし、気温も安定しないから体調も落ち着かない。 私は枕元に置いてある携帯を開いた。 瑞希に事前に今日学校を休む事を連絡しておく。 「さつき、ここに洗面器置いておくわね」 新聞紙が敷いてある洗面器を受け取り、枕元に置いた。