「部屋まで歩ける?」
「う、ん……」
「時間になったら病院に行きましょう」
「ん……」
手すりに掴まって、階段を上がる。
だるい。
寒い。
疲れる……。
なんとかベットに辿り着いて入る。
寒い。
身体がガタガタと震える。
布団に包まっても寒いよ……。
ゆうちゃん、ゆうちゃん。
首にかけてある、リングのネックレスを握りしめる。
部屋でひとり耐えてると心細くて、ゆうちゃんがくれたネックレスに頼ってしまう。
ゆうちゃんはここに居るんだと安心するから。
お母さんがノックして入って来て、体温計を渡す。
「さつき」