「俺、これでお腹いっぱいだから、それ片付けといて」
「……は、はい」
ゆっくりとスプーンにクリームを少しだけ乗せて、パクリと食べた。
「……!!」
目を輝かせるその顔が、美味しいと言っている。
良かった。
そんなに美味しかったか。
自然と口角が上がって、俺もパフェを食べた。
食べ終わって少しだけ雑談をしてからレジに向かう。
瑞希は先に払い終わり外に出た。
俺達の番になり、あいつは俺の後ろで鞄の中を漁って財布を捜している。
「お会計は960円です」
自分の分をきっちり出して後ろのあいつの顔を見ると、サッと顔色が変わった。
そしてまた鞄の中に手を突っ込み財布を捜す。
その様子に最悪の予想が頭に浮かんだ。
すでに泣きそうな、その顔。
え、ま、まさか……。
「あ、あんた……」