―――16歳、4月。


私は高校2年生になった。

目覚ましのアラームで目が覚めて、重たい身体を起こす。
机の上の写真立てには、あの日空港で撮ったゆうちゃんと私が写っていて、その姿に「おはよう」と言った。


制服に着替えて、長い髪の毛をくしでといて、鞄を持ってから階段を下りる。




「おはよう、さつき」




朝ご飯を作り終えて、みそ汁を装ってるお母さんが笑顔で私に言う。
私も「おはよう」と返して椅子に座った。




「身体はもういいの? 無理しちゃ駄目よ」


「うん、大丈夫だよ」