「……私は、聖夜くんのこと、そんな目で見たこと無いよ」
「でも凄く仲良いじゃん。さっきだって……」
「あれは友達としてだよ。それに私……ゆうちゃん以外の人を好きになんて、絶対にならないから」
……そうだよ。
こいつには、“悠二”っていう彼氏が居るんだ。
さっきだって、彼氏を想って泣いていた。
「私、どこまで瑞希に話したかな」
「えっと……付き合って、さつきが中学3年生の時に留学したってところまで」
「あのね、これ、見て」
これって、なんだろう。
会話しか聞こえないから分からない。
「それ……指輪!?」
「うんっ」
指輪って……彼氏から貰った……?
でも、さっき指見えたけど、指輪なんてはめてなかった。
あぁ、もう。
これ以上は聞きたくない。
聞きたくないのに、この場からは慣れられない。