「ほら、立って」
グイッと腕を掴まれた。
掴まれた手は力が強くて痛い。
「ちょ……!」
い、痛い!
今引っ張られたせいで机の足で膝を打ったんだけど!
瑞希を置いて聖夜くんは強引に保健室に連れて行く。
「ほら、寝て」
ドンッと押されて顔からベットに突っ込んだ。
「うぅ〜……痛い、です」
「はいはい、早く寝て。寝れば治るから」
本当かどうか分からない事を口にする。
「私、本当に大丈夫ですから、」
「あんたは体調悪いの。ほら、寝ろ」
無理矢理布団を被せて、ベット近くにあった椅子に座る。
寝て治るなら、私だってこんなに苦しまない。
でも、頑張らなくちゃ。
あと少し。
あと少しなんだから。