目の前で泣きじゃくる私の頭に優しく手を乗せ、ぎゅっと抱きしめる。 「さつき、好きだよ。離れるのは僕も寂しい。でもね、僕は行ってみたい。この機会を逃したくないんだ」 そっと離れて、真剣な眼差しで私を見つめる。 そんな顔されたら、頷くしか無いよ……。 「……ゆうちゃん、大好き。大好きなの」 「僕も、大好きだ。毎日手紙も書くし、電話もするよ」 ―――そして、ゆうちゃんは旅立った。