「……ふふっ」




ゆうちゃんの字だ。


大きくなったって……確かに私は16歳で、今年17歳になるけど。
もう遊園地も水族館も行ける。


ゆうちゃんと2人で、どこへだって行ける。


楽しみだね、ゆうちゃん。




「……なんて書いてあったんだ?」




綻ぶ私の顔を見ていたお父さんが聞いた。




「ふふ~。秘密だよ」




手紙を封筒の中に戻して椅子に座る。
そして朝ご飯を食べて学校へ向かった。


ゆうちゃんとお揃いのネックレスが、チャリッと小さく音を立てて揺れる。


自転車小屋に着くと生徒の声が聞こえる。
昇降口に向かい、下駄箱に靴を仕舞うと肩を軽く叩かれた。




「さつき、おはよ!」