「早く退いてくれない? 痛いし、重い」
「ごご、ごめんなさいっっ」
素早く退ける。
聖夜くんが助けてくれたことが信じられないし、階段から落ちたということも驚いて心臓がバクバクしている。
「さつきちゃんっ!! 大丈夫!?」
「さつき!?」
私の後を追いかけていた瑞希ちゃんと、落ちた時の音でお母さんがやって来た。
「さつき、大丈夫!?」
「う、うん」
「聖夜くん、怪我してない?」
「大丈夫です」
聖夜くんはお尻を押さえながら、ゆっくりと立ち上がった。
私も立ち上がり、聖夜くんの様子を伺う。
大丈夫って、本当に大丈夫なのかな。