「帰る」


「はあ!?」




自分の鞄を持って、飲み物とお菓子を置いた机に近づく。




「まだ来たばっかじゃん!」


「気分が悪くなった」




そう言いながら聖夜くんはコップに入ってるジュースを一気に飲み干し、お皿に乗ってるお菓子をいくつか食べて、鞄を持ってドアまで進む。


瑞希ちゃんは慌てて聖夜くんの腕にしがみついた。




「まだここに居てよ。なんで帰っちゃうの?」


「……あのさ」




スッと目を細めて瑞希ちゃんを見る。
その目が怖くて、少しだけ身体が震えた。




「何度も言ってるけど、瑞希のこと何とも思ってないから、こういうことされると迷惑」


「あ……ごめん」




本気で嫌がってる聖夜くんの声に、瑞希ちゃんはするりと腕を離す。
空気が冷たくて、ピリピリして痛い。


聖夜くん……怖い。