「どうぞ」
「おじゃましまーす! うわっ。中、広い……」
「おじゃまします」
瑞希ちゃんはキョロキョロしながら珍しそうに歩いていた。
2人をここで待つように言って、玄関近くのリビングのドアを開けた。
「お母さん、ただいま」
「おかえり。誰かの声が聞こえたんだけど……」
ドアの方を覗くようにお母さんは見る。
そこから瑞希ちゃんと聖夜くんに気づいたらしく、私は慌てて紹介した。
「あ、あのね、友達の、瑞希ちゃんと聖夜くん」
「初めまして、瑞希です」
「聖夜です。急にお邪魔してすみません」
「初めまして。気にせずゆっくりして行ってね」
「ありがとうございます」