「瑞希ちゃんの好きな人、は?」
「私はね、聖夜(せいや)」
聖夜……?
誰だろう。
この学校の人、だよね。
1年生の頃から休みがちだったから、クラスの人の名前を覚えるのがやっとで、同じ学年の子は分からない。
「聖夜くんって?」
「さつきちゃんの隣の席の男子」
「えぇっ!?」
私の隣って、あの人!?
「聖夜知らないか。普段あんな感じだけど、めっちゃかっこいいんだよ! 頭いいし、無愛想だけど優しいし! 私1年の時同じクラスでさ。だからまた同じで嬉しいんだ~!」
そうはにかむ彼女はとても可愛くて、その顔を見てる私まで笑ってしまう。
瑞希ちゃんいわく、彼はモテるらしい。
素っ気ないくせにたまに優しい所とか、細身な身体だけど運動出来る所とかがグッとくる!って、瑞希ちゃんは興奮しながら言っていた。
うーん……。
まあ、確かに顔はかっこいい、とは思うけど……。
授業中、隣に居る彼をじーっと見る。
「……なに?」