聞く機会なんていくらでもあったのに! 瑞希に聞くか!? いや、瑞希の事だから「聖夜、さつきが好きなの!? 私が居るのに!!」なんて言って面倒くさそう。 「セイ、さっちゃん大丈夫だった?」 授業は終わった頃、海斗がやって来た。 「……なんで知ってんの?」 「もう噂になってるよ。さっちゃんは?」 あんなに大事だったから、知られるのは早いか。 「さあ? どうなったんだろう」 病院に居るのか、保健室に居るのか。 保健室に居るならきっと早退してるよね。 「心配だね?」 ドキッと、心臓が跳ねた。