「無理するなっ、ゆっくり息吸え!!」
「は、はあっ、あ、……い、じょ……ぶ、」
「馬鹿、大丈夫じゃないだろ!!」
……だよね。
どう考えてもこの状況は“大丈夫”って言えないか。
苦しくて涙か零れる。
なんてみっともないんだろう。
誰かが口元に紙袋を押し付ける。
その中で息を吸うと、だんだん落ち着いてきた。
「……さつき?」
「……おい?」
フッと、目の前にゆうちゃんが現れた。
どうして……ここに居るの?
ううん、そんな事どうでもいい。
ゆうちゃんだ。
手を伸ばせば届く距離に居る。
重たい手で、ゆうちゃんの手を掴む。
「……好き……」
そう呟いた瞬間、瞼が重たくなって意識を放した。