「……なに?」




じろりとあの大きな瞳で睨みつける。
その目に身体が萎縮してしまう。




「人の顔、じろじろ見ないでくれる? 迷惑」


「え……あ、ごめんなさい……」




チッと小さく舌打ちして、私から顔を逸らした。


……こわっ!!
すっごく怖い!!


なんでそんなに不機嫌なの!?
もうやだ、この席。


この時点で心が折れて、今すぐ帰りたくなった。


久しぶりの授業は着いていけなくて、いくら家で勉強したとはいえ授業のペースに追いつかない。
4限目になり、移動教室。


みんな仲良く友達とお喋りしながら廊下を歩く。
その少し離れた後ろで友達の居ない私はひとりで教室に向かう。


一言、「私も一緒に行っていい?」が言えない。


恥ずかしいし……そんな勇気もない。


羨ましいな、友達。