不意に後ろから肩に手を置かれて振り返ると、海斗くんが立っていた。
明るい茶髪にワックスで髪を整えて、両耳のピアスが光ってる。
海斗くんはよくうちのクラスに来ることが多くて、聖夜くんと仲が良いから隣の席の私にまで声をかけてくれる、優しい人。
初めはその見た目に怯えてたけど、何回か話して行くうちに打ち解けた。
「海斗くん」
「体調大丈夫? さっきまで保健室に居たんでしょ? 聖夜から聞いたよ」
「もう大丈夫。海斗くんはどうしたの?」
「んー、さっちゃん見に来た」
にこっと笑う海斗くんは本当にかっこいい。
「ちょ、海斗。こいつにちょっかい出さないでよ」
私と海斗くんの間に、瑞希から離れた聖夜くんが入り込む。
「ちょっかいなんて出してないよ。本当のことだし」
そう言って、チラッと私の後ろを見る。
何だろう?
何かあったのかな?
キョトンとしていると、海斗くんはまた微笑む。
その笑顔に違和感を感じたのは、私だけ?