嬉しい。
本当に嬉しいよ。
友達とお祭りなんて初めてだし、全然行ってなかった。
最後に行ったのは2年前で、それまではずっとゆうちゃんと一緒に行くことが当たり前だった。
金魚すくいしたり、綿あめ食べたり、かき氷食べたり。
それで……花火を見た。
ゆうちゃんと見る花火は本当に綺麗で、それはやっぱり、ゆうちゃんが一緒だったことが大きかった。
懐かしくて、少しだけ涙が零れた。
瑞希に気づかれないように拭う。
教室に戻ると、さっきの話を聖夜くんにした。
「祭り? いいけど」
「やったー! 聖夜と行けるなんて最高!! 去年誘った時、行ってくれなかったよねー」
ギュッと聖夜くんの腕に抱きつく瑞希。
「うっとおしい。くっつかないでよ」
「いいじゃ~ん。聖夜大好きー!!」
「邪魔。暑い。離れろ」
グイグイと瑞希を押してるけど、瑞希も負けん気で絶対に離れない。
その様子が面白くてクスクス笑った。
「さーっちゃん」