授業中に気分が悪くなった私は、保健室で寝ていた。
授業は終わったみたいで、心配して瑞希はお見舞いに来てくれていた。


起き上がろうとした時、頬に何かが伝った。




「……あ」




触ってみると、濡れていた。


私、泣きながら眠っていたの?




「さつきね、凄かったよ。“ゆうちゃん、行かないで”ってずっと言ってた。繰り返し言ってるから起きてるんじゃないかと思ったよ」


「えぇ!? 早く起こしてよ!」




は、恥ずかしい!
ゆうちゃんの夢見て寝言言ってたなんて!




「何回も声かけたけど、全然起きてくれなかった」




うぅ~……!!
瑞希は決して悪くないのに、恥ずかしさに苛立ちが湧いて行き場が無い。


ミーンミーンと、蝉の鳴き声が聞こえる。
木の葉の隙間から、太陽の暑い日差しが差す。


―――もう、7月なんだ。