―― ✕✕✕✕年 ✕月✕日 ――
――心地よい振動。
空調が行き届いた快適なバスのシートに揺られて、わたしはいつの間にか眠ってしまったらしい。
どれくらい眠っていたんだろう。
よほど熟睡していたのか、いまいち記憶がおぼつかない。
しかし、まぶたの裏側にまで射し込んでくる夏の日差しは、また夢の世界へ戻ろうと踏ん張るわたしの睡魔を、容赦なく奪っていく。
「うぅ……ふあぁ……」
自分だとは思えない奇妙なうめき声。
重いまぶたをゆっくり持ち上げると、霞んだ記憶がそろそろと頭の中へにじり寄ってきた。
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