あらすじ

 鳴瀬 幸希(なるせ ゆき)は不動産事務の28歳。結婚は勿論、彼氏もいないがなんとなく日々を過ごしている。
 幸希の職場へ高校の後輩・戸渡 志月(とわたり しづき)が同業の営業の仕事で訪ねてきた。再会に驚いたが交流がはじまり、幸希のちょっとしたシャレから『なにかしてもらったらコイン一枚ぶんのものをやりとりする』ことがはじまった。
 志月に告白された幸希。今までの彼氏からは無かった、志月からの純粋な想いをすぐには受け入れられないが志月が払拭してくれ恋人関係になる。
 合言葉のようになるほどコインのやりとりは続いていた。デートや助けあうこと、喧嘩もする中で幸希は優しくされる幸せや、だが慢心しないことを知っていく。大きな成長であった。
 志月からのプロポーズ。渡されたのは指輪ではなくコインだった。給料三ヵ月分が入った仮想通貨。指輪より自分たちらしく、また些細な約束事を大切にしてくれる志月。コイン一枚からはじまった関係はコイン一枚によって幸せへと導いてくれた。