――私の目覚ましのタイマーは毎朝四時にセットしてある。
 
 日の出とともに生活する習慣がついているのか? そんなことは決してない。ついでにいうと日の入りとともに寝るわけでもない。
 ならばブラック企業に努めているが故、早朝から深夜まで休憩も食事をする時間も与えられず、馬車馬のように働かされているのかといえば、それも違う。
 
 ――じゃあ何故か。
 
 全ては愛のためにと言ってしまえば聞こえがいいが、とどのつまり幼馴染の琉一(りゅういち)にお弁当を届けるためだけに早起きをしていた。
 幼馴染で行動を共にしていたのは昔の話だ。今やお互い社会人となり、意図して時間の調整をしない限り、顔を合わせることもない。