18.
"Time travel タイムスリップ 9 "
== 都眞子の両親 (佐和子・敏夫) + 安倍 義仁 ==
「あなた、これはだめかもしれないわね。
ほんとうなら、いくら娘が器量良しじゃないにしても、子供を抱えて
嫁に来てくれる酔狂な人もなし・・それを考えたら喜んで返事するところを
考えてみます・・だもん。
よほど姉の器量と比べてほど遠い都眞子には感心が持てないみたいね。
私たちいいことしたのかな?
都眞子のプライドを貶めてるような気がしてきたわ」
「しようがないさ、もう話してしまったことだし。
返事を待って・・駄目だったら・・。
こうなったら手当たり次第良い縁談を探して都眞子を良いお相手に
嫁がせよう。
義仁くんが、あああの時都眞子を嫁にしておけばよかったと
後悔するくらいのな」
「そうね、あなた、そうしましょ。あの子だって姪や甥・の世話に明け暮れて
時間を潰してしまったから良いお相手にめぐりあわなかっただけで、あの子は
性格の良い娘だから絶対良い人に縁がありますよ。
ちょっと年齢にハンディがあるけれど」
・・・
子供のいるアラフィフ寡男にこの先嫁いでくれる酔狂な女性なと゛
ほぼほぼいないのをどこかで分かっていながらも異性としての
魅力に欠ける・・いや、それは自分がということで、都眞子の
良さを理解できる男はいつか現れるかもしれない、だが
今の自分には無理があった。
そしてその自分の正直な気持ちに目を瞑って結婚したとして
果たして上手くやっていけるのか?義仁には自信がなかった。
自分の中で結論はすぐに出た。
けど、無理として亡き妻の両親と都眞子にはこの3年間充分過ぎるほど
親子揃って世話になっていて、けんもほろろに断っていいはずも無かった。
考えさせてください、と言うのが義仁にとってギリギリの
ラインだった。
そしてその言葉で十分だった。
流石、人生を長く生きて来た先人たちのこと、俺のその一言で
俺の心情を察したようだった。
