17.
"Time travel タイムスリップ 8 "
== 都眞子の両親 (佐和子・敏夫) ==
話が終わると義仁さんは大と都眞子のいる公園に向けて
出掛けて行った。
つくづく都眞子に話をしてなくてよかったと私は思った。
これが、義仁さんとの結婚の意思があるのかどうか、確認を
してからの話だったなら、とんでもなく都眞子を悲しませることに
なったのでは?と思うからだ。
義仁さんが出て行って後、私は夫と顔を見合わせた。
夫の表情にも私と同様の気持ちが滲み出ていた。
義仁はすんなりと「謹んでお受けします」とは言わなかった。
彼が放った言葉は「少し考えさせてください」だった。
義理の親からしてみればこれはもう自分たちの関係性から考えて
やんわりと断られたも同然のように映った。
話を出す前のドキドキウキウキした気持ちは胡散霧散していた。
今となっては都眞子に申し訳ないことをしたと義息子への打診を後悔
するものへとシフトしていった。
誰も悪くない、ないのだが。
それでも3年もの月日を己が息子大に費やした女性に対する態度がそれなのか
とのよくない感情に支配されてしまうのだった。
実のところ彼らにしてみれば、もろ手を挙げてとはいかずとも
40寡(やもめ)の子持ちに初婚の30台前半の女性との結婚などこの先
叶うことはどう考えても難しいことだと考えていたこともあり。
もちろん義仁にだって選択肢ある。
分かってる、分ってるけど・・なんだか都眞子を女性として否定されたような
気がして辛かった。
都眞子を溺愛している夫もきっと大なり小なり自分と近い感情になって
いるのではないだろうか。
夫はその気持ちを私に問いかけることで消化しようとしたのか。
「どう思った?」
「彼の様子を見ている限り、うれしそうではなく、むしろ困惑を隠せないと
いうのが本音のように見えましたね」
