14.


"Time travel タイムスリップ 5 "

== 都眞子の両親 (佐和子・敏夫) + 都眞子 + 大 + 安倍 義仁 ==





 「あなた、昨夜それとなく都眞子に話を振ってみたんだけど
どこまで義仁さんのことを好いているかは分からないけど、何となく
義仁さん次第でこの話、まとまるような気がするわ」



 「なら、善は急げ、だ。明日か明後日、大を預かる時に私たちで
大を迎えに行って、話してみようじゃないか。義仁くんにとって
悪い話じゃないからな」


 夫はそんなふうに言った。



 都眞子さえOKなら彼の方から断ることはないだろうと、予想している
ことがその言葉から伺えた。

 そして私にもそんな風な考えがあった。



 私たちは、今の歪な大と都眞子と義仁さんの関係が、スムースな関係になる
かもしれないと思うと、心逸る気持ちでその日を迎えたのだった。




・・・





 ちょうど日曜日に義仁さんが大を連れてお昼を食べに我が家にやって来た。

 大は以前私と都眞子とでチョイスしたTシャツとパンツとスニーカーという
出で立ちだ。

 トップスの赤系シャツは可愛い熊さんの大きな顔が描かれていて
パンツはブルーよりのインディゴ系の生地にアルファベットの文字が
散りばめられていて、スニーカーはトップスと同系色の赤っぽい色目。

 うんうんっ、なかなか可愛いぞっと。
 自分たちの選択が間違ってなかったことに満足。

 

 今日のランチは大の好きなカレーにした。
 
 私たち家族3人の日のカレーはジャガイモを大きく切ったものなのだが
今日は大の可愛い口に合わせて人参もジャガイモも小さくサイコロ位の大きさに切り
いつもより火をかける時間も多めにとってトロトロに煮込んだ。



 食事が終わると大が近所の公園でサッカーしたいと言い出し、都眞子と一緒に
出掛けて行ったので私たちは早速義仁さんに例の話を持ち出した。


 大は勿論、お父さんととまちゃんと3人で行くと言っていたのだけれど
私たちが義仁さんに話があると伝えていたので、義仁さんが大と都眞子には
後から遅れて行くと話してくれて、2人は先に出掛けて行った。




 「「いってきまぁ~す♪」」

 2人の楽し気な挨拶を聞いたところで私たちは義仁さんに話を
切り出した。





 「ごめんなさいね、折角の子供との時間なのに時間を取って
もらっちゃって」


 「あぁ、いえ、とんでもないです。それでお話と言うのは?」


 
 

 何の話だろうか、義両親揃って・・何だか畏まってる様子が気に掛かる。
 はて、俺にはどんな話なのか皆目見当もつかなかった。

 お二人は先ほどから2度視線を絡ませている。
 話しづらいことなんだろうか。


 「えっ、・・ええんっ。 いやぁ~都眞子がねもうすぐ29才の誕生日を
迎えるんだが、日々の暮らしに紛れて都眞子のことを少し放りっぱなしに
していたなと反省というか何というか、まぁその家内共々、今更に気付いたと
いうか。それでまぁ・・」




 そっか、とまちゃんも29才かぁ~。


 誕生日プレゼント考えとかないとだな、そんなことしか頭に浮かばなかった
俺に義母が更なる話を続けた。