「いや、ダメです。ほんとに。

絶対誰かが悲しむんです。それはあたしの達

どちらかかもしれないし、周りかもしれないし。

経験してますから。

私、そんな過去あるんで。軽蔑してくれて

いいです。同じ事は繰り返したくないんです。

なんなら、お互い既婚者ですよ??

すみません。ダメです…ほんとに…

すみません。」



そう言いながらも、後ろ髪引かれる感覚で

でも、ダメだと思う私もちゃんといる。


あれ?上手く気持ちコントロール出来ない…。



「手握ってい?」

私の言った事聞いてた?

とでも言いたくなるようだ。

被せるように言ってくる。


ーー何?この感じ?手…触れたい…ーー


「ん?手?あっ、あぁ…は、はい」


3年間一緒に仕事して、毎日顔を合わせても

1度も触れたことはなかった。

しかも、どこにも…ぶつかることすらなかった。


私は手を差し伸べた。