「潮見渚(しおみなぎさ)さん、お時間です」 名前が呼ばれ、うっすらとまぶたを開ける。 見上げると、そこには鎌を振り上げる死神の姿があって、俺は場違いに笑った。 三、二、一……〇。 時計の針が七月二十四日午前〇時を指した瞬間、鎌の刃先が俺の心臓をひと突きした。 潮見渚の人生は、こうして幕を閉じたのだった――。