「えっ?」
わたしは、耳を疑った。
お前で充分って、どういうことなんだろう。
わたしとチョコなんて、違いがありすぎる。わたしは、甘くないと思う。
「お前といるだけで、この空間は甘いから」
「冬樹……」
わたしが彼を見つめると、彼も同じようにわたしを見つめた。
「優香」
「なあに?」
「俺の好きなものを作ってくれて、ありがとな」
この甘い空間にぴったりな、ふんわりと優しい笑みを浮かべた彼。
「冬樹……。どういたしまして!」
わたしは、これでもかという程の笑顔で応えた。
今年で1番、笑顔になれた気がする。