「じゃあ、そんな甘くないのにしたら? ビターチョコとか、ストロベリーチョコとか、どう?」



少し考えてから、綾菜が提案してくれた。わたしも女子だから、彼氏にチョコを作ってあげたいという気持ちがあるということを分かってくれたんだろう。


そうか、確かに普通のチョコよりは甘くない。それに彼は、ストロベリーチョコやビターチョコも苦手とは言っていない(かと言って好きとも言ってないけど)。



「……そうだね。ビターとストロベリーにしてみようかな……」



「うん。あげないと分かんないよ」



さすが綾菜は前向きだな。



「じゃあ、今度あたしの家でチョコ作ろっか!」



「えっ! 迷惑じゃないの?」



「全っ然。親2人とも忙しいから普段は家にいないし、あたし1人でお菓子作る時も後片付けするんだったらいつでもどうぞって言われてるもん」



太陽のような笑顔で、綾菜は言った。