炒飯を食べてからの記憶がすっぽり抜け落ちている。
あのままテーブルに突っ伏して眠った気がする。
伸びをしようと手を上げると、サイドボードにぶつかった。
痛い……。起き上がって、辺りを見回す。確かにベッドの上だった。
「翡翠?」
着ている服は自分のものだった。ベッドからおりて寝室から出た。
リビングには誰の気配もない。
テーブルの上に皿が置いてあった。
ホットサンドだ。ラップがしてある。
その下にメモ用紙が挟んであった。
『鵠用朝ごはん』と。
読んで笑った。私用の朝ごはんらしい。
卵とトマト。ベーコンとチーズとレタス。