本気の顔なので、私は笑うのをやめた。

「いや、ううん。埋める価値もない人たちだよ」

正直、頭の中で何度も埋めたのでその必要はない。
私たちがシャベルを持つ必要もない。

翡翠が立ち上がり、キッチンの方へ行った。朝ごはんの準備でもするのかな。

と思っていたら、すぐに戻ってきた。

何かの小瓶を持っている。確認する間もなく、私のコーヒーにそれを振りかけた。

「あ、シナモン」
「コーヒーにシナモン、結構合う」
「本当だー、良い香り」

ふわりとシナモンの香りが立ちのぼる。

少し気持ちが落ち着く。