ぱちぱち、と拍手もいれる。
翡翠がつられて手を叩こうとする。
「そしたら、元々成績上位にいた先輩からの当たりが強くなってねー」
人の悪意を見るのも良い気分ではないというのに、それを向けられるなんて。
引越し先でうまくやってきた私にとっては、信じ難い事実だった。
「前の良い成績だった人もそれが原因で転職したらしいって同期から聞いて、何で同じ職場で足引っ張り合ってるんだろうって思ってさ」
「で、その先輩を埋めたのか」
真顔で翡翠が言うので、笑う。え、冗談だよね?
「埋めてないよ?」
「これから埋めに行くのか。手伝う」