高校を出て、調理師の免許を取った。俺ができることが料理しか無かったからだ。

就職をして家を出て、大変なことも色々あったけど、なんとかここまでやってきた。

期待は期待でしかなかった。
鵠は廊下で見かけるみたいに、現れた。

俺は鵠に期待していたんだ。

どうして、とか、何故、とか。
そういう理由は何でも良かった。

金を借りにきたのかもしれないし、人を殺してそれを埋める手伝いを要していたのかもしれない。

そこで思い出して、来たのが俺のところだったのが嬉しかった。

炒飯を食べて、落ちるように眠った鵠を見る。