熱い涙が頬を伝う。
「だって……だって……」
「そんなに泣いてどうすんだ」
まあ入れば、と翡翠に言われて中に入る。
家の中は雑然としていた。翡翠はこの中でお母さんを待っていたのかと思うと、また涙が出てきた。
「いやそっちじゃなくて、こっち」
リビング手前の部屋に通される。そこは翡翠の部屋らしく、やっと生活感のある場所だった。
嗚咽を漏らしてしていると、ティッシュをくれた。翡翠が部屋から消えて、一人になる。少ししてお茶を持ってきてくれる。
「……部屋、片付けないの?」
温かいお茶を頂く。ずずず、と啜った。