「私も明日からここで食べたい」
「え、やめとけよ」
「なんで?」
「変に勘繰られるから」

正面の席に座って鵠はお弁当を広げる。俺はコンビニで買ったパンとお茶を飲んでいた。

「そんなの、別に良いじゃん……」

鵠は唇を尖らせる。

「俺が嫌だ」

鵠と俺が噂になって、被害を被るのは明らかに鵠の方だった。
……嘘だ。
俺が傷つきたくないからだ。

「鵠は俺に近づかない方が良い」

そんなことを、誰かに言う日がくるなんて。

「それは私が決めることで、翡翠が決めることじゃない」