1時間目の数学の授業。
ノートを取り、ふと視線を上げると『あやかし』が教室を飛び回っていた。
当然、周りには見えない。
小さいドラゴンのような姿。
まるでぬいぐるみのような可愛い見た目の『あやかし』。
人の体調を良くしたり悪くしたり、ちょっぴり厄介な『あやかし』だ。
その子は、私に気がつくと羽をパタパタさせながら近づいてきた。
(あ。こっち来た。)
「あ〜。頭痛てぇ・・・・・。」
前の席にいた男子が呟く。
きっと、この子の能力のせいだろう。
(も〜。やるなら私だけにしてよ〜。)
私は、その子をひょいっと頭の上に乗っけると再び授業に耳を傾けた。
授業が終わるまで、ずっと頭が痛かったけど。
そんな感じで私の日常は、始まる。