竜二はマンションに帰るとシャワーを浴びてダイニングで雫を手伝いながら試合のことを話す
(嬉しいんだな、よく話す。明日は仕事も休みとってるみたいだし、美味しいお酒になりそう(笑))
ピンポーン
竜二がエントランスカメラを見る
「入ってこいよ」
「もう、誰か来たの?」
「綾と美咲」
玄関を開けに行く
「雫ちゃん、手伝いにきたよ~」
「ありがとうございます」
「美咲は役に立つのか?邪魔するなよ」
「料理運ぶくらいはできますぅ」
「唐揚げ揚げてんの?やるよー」
「じゃあ、あと揚げるだけなんでお願いします。美咲さんはレタスを手でちぎってください。このお皿に並べて唐揚げを後でのせます」
「俺でも出来る」
「うるさいなー、竜二はあっち行ってて」
「竜二さんはちょっとこっちへ」
雫は竜二と一緒に雫の部屋に入る
「ごめんなさい。エアコンつけてます。冷蔵庫に入らないので……」
「いつの間に部屋に料理入れてたの?」
「朝からお弁当作ってた時におにぎりとかは握ってたの。昨日ほとんど下ごしらえはしてたから……このお皿のぶん唐揚げ揚げた後揚げるからダイニングに持っていって」
「わかった」
「あと、料理足りなくなったらここに取りに来てね」
「うん」
「飲み物は冷蔵庫だからね」
「ありがとう。チュッ」
「へへっ」
二人は部屋から出てきた
「唐揚げ沢山揚げるね、人数多いとやっぱり大変だ」
揚げ物担当していた綾が話しかける
「唐揚げは多めに鶏肉買ったので余っても冷凍しておけるので竜二さんの夕食になりますからね」
「熱っ、美味しい~揚げたて」
美咲はつまみ食いをしていた
「ですよね(笑)竜二さんお刺身頼んでるの取りに行ってきてもらえる?」
「わかった。じゃあいってくる」
「雫ちゃんはお魚もさばけるの?」
「出来ますよ。私は海の近くの出身なんです。今日は朝早かったので買いにいく時間がないのでお魚屋さんに頼んでおいたんです」
「私さばけない」
美咲は当然のように言う
「今はスーパーでもお魚コーナーいけばさばいてくれますからね」
「雫ちゃんて苦手なものないの?若いのに家事全部出来てさー」
「苦手なものですか?……ありますよ」
「何?」
「食べ物は納豆で、あと、竜二さんは知らないですけど動物が苦手です」
「はふっ、はふっ……意外……」
美咲は三つめの唐揚げをつまみ食いしていた
「猫が飛び出してきてびっくりして転んだんです。実は運動神経も悪くて……だから変な転げ方しちゃって骨折しちゃいました」
「運動ねー、スラッとした体型してるから出来そうに見えるよね」
「見えるだけです。逆につまづいたりするので床に物を置かないように片付けるんです。
竜二さんは大体ソファーかベッドに何でも置くから、まあ助かってます(笑)」
「成る程ねー」