竜二のマンション

「ねえ、試合の日、何が食べたいか皆に聞いておいて」

「無理しなくてデリバリーでもいいんだよ」

「もう大丈夫よ。今度の日曜日に買い物付き合って欲しい」


「それは全然構わないけど、長い時間キッチンに立つのしんどいだろ?」

「椅子があるから大丈夫!バイトだってもう出来てるし」

「みんなが聞いてきたんだろうね」


「うん、レジの横に杖置いてたし、店長が二人体制にしてくれて助かった。澤田さんも話しかけてくれたよ」

「そっか……じゃあ、みんなに聞いておく」

「うん」

(雫ちゃんは本当に料理作るの好きなんだな。止めると逆にストレスになるのかも)




十一月三日試合会場

観客席に竜二と雫は向かうと竜二の友達が集まっていた

「階段ゆっくりな」

「うん、ありがと」

「おはよー」

「おはようございます」

「おはよー。あれ、雫ちゃん足どうしたの?」

「実はこけちゃってですね(笑)」

「骨折だよ」

竜二が荷物と杖を椅子に置く

「えー、大丈夫なの?」

「もう、だいぶいいんですよ」

「料理のリクエストなんてしてる場合じゃないじゃないの?」

「いえいえ、私も楽しみにしてましたし……みなさん、頑張って下さいね!」

「雫ちゃんの旨い飯の為にがんばるか」

雫のご飯が好きな広樹はムードメーカーらしく明るく話す

「飯の為って広樹らしいけど(笑)まあ頑張るかー」



美咲と綾のペアはすぐに負け、男性陣の応援に雫と三人で応援する

竜二と忍のペアは順調に勝ち上がり優勝することができた



「きゃーやったー!竜二さん凄い」

「いつもいいところまでいくのに中々勝てなかったのよ」

「雫ちゃんがきてくれたから竜二が頑張ったんじゃない?」

「竜二さん、頑張って走ってましたから~」



雫はコートにいる竜二に向かって手を振り、竜二も手を振りかえした


表彰式が終わって二人が観客席に上がってきた

雫は竜二の写真を撮り、竜二からハグをされた

「かっこよかったよ、竜二さん」

「ありがとう。嬉しい」



みんなで写真を撮り、一度着替えてからの集合となった