「俺らも婚約はしたよ」
竜二がさらっと言った
「えっ、決まったの?」
美咲が驚いていた
「お互いの両親に挨拶したよ」
事情を一番よく知ってる忍が呟く
「付き合って何ヵ月だよ(笑)」
竜二は聞こえてたようで
「確かに……この間(笑)今月の四日に婚約指輪渡した」
みんなが雫の指を一斉に見た
雫は手を隠した
「大切にしまってあります(笑)」
「ちょっと、竜二、四日って私と仕事した日じゃないの」
「そう、誕生日だったんだよ。夜にプロポーズして指輪渡したんだ」
「誕生日だったの?」
「はい」
「ごめんなさいね、手伝ってもらって」
「いえ、楽しかったです(笑)多分一生忘れられない日になりましたよ」
「美咲の会社の企画で俺の会社で夏祭りしたんだよ。そしたら俺の両親に会って、次の週に向こうの両親に会って、ちょっとバタバタしたけどな」
「うん」
「結婚はまだ先だけど」
雫は空いたお皿を下げて席を立つ
新しい料理と焼酎に変えた忍におかわりを渡す
「ありがとう」
「いえ(笑)」
雫はまたダイニングに行く
(何を作ろうかな~)
冷蔵庫を覗く
「何か手伝いましょうか?」
美咲がダイニングにやってきた
「あっ、美咲さん、そんなお客様ですから座って呑んでてください(笑)お仕事の方はどうですか?」
「そうね、まあまあね。これからまた秋に向かって何かいい企画ないかしら?」
「そうですねー、行楽シーズンですね。家族持ちの人は忙しいですけど独身の人も何か楽しめたらいいですね、一人でも足を運べるようなイベントとか」
「そうね!みんな今独身だものね。みんなに聞いてみなきゃ!」
「男の人でもきっとやりたいことありますよ、あっ、これ持っていってもらっていいですか?」
「えっ、今話してる間につくったの?」
「これは簡単ですから~」
「今度料理の企画考えてみるわ、私全然できないのよ」
「はい(笑)」
美咲はお皿を持ってリビングに戻った