寿司屋に入る


「いらっしゃいませ、真中様」



(廻らないお寿司屋さんだ。そして常連……)

「雫ちゃん、何がいい?」

「私……わからない……」



「じゃあおまかせで、彼女にはウニとイクラつけて」

「はい」



「おいひい……です」

口にいっぱい頬張って嬉しそうに食べる雫



「可愛いだろ?」

「いくつ違うんだ?」

「八才違い」

「いくら年下だからって偉そうにするんじゃないぞ」


「大丈夫、そんな気持ちになんてならないから、いつも癒されてる。料理もすごく上手いんだよ。全然外食しなくなった」

「それはいいことだな」



雫は二人の話など耳に入らず店主に『美味しいです』と話しかけていた

「人見知りしないな」



「お客さんとも楽しく話してる(笑)いつも長い列が出来るんだ」



三人は食べ終えてレジ前へ

「私の分出します」

「私が出すよ。気持ちだけ頂いておくから、ありがとう」



竜二を見る

「ご馳走さま(笑)」

「ご馳走さまでした」



「また、食事に行こうな。今度は母さんも一緒に」

「母さんか……怖いな(笑)」

「怖いの?」



「あっごめん今から行くのに……怖いっていうのは反対されるとか怒られるとかっていう怖さじゃないんだよ。自由すぎる人だからちょっと何を言い出すのかが怖いってこと」



竜二は車を運転して会社に父親をおろして母親の所へ向かった